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ガール

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前に書いてから、ちょっと時間なかったり、そんな気にならなかったりで、実はずっと見ていなかったのだけど、先日、久しぶりにかなりひどい風邪にかかってしまい、まあ今も治ってはいないのだけど、とにかくその時は一日中寝込んでいたのもあって、マイ・ガールを見てみた。
寝込んでるんだから、どうでもいい映画見てみるか、みたいな感じで。

これがもう、ボロボロになるくらい泣いた。
映画としては全然たいした代物じゃないんだけど、もうなんだろう、すっげー泣いた。
数日経った今でさえ、胸がしめつけられ、たまらずブログに書いてしまったくらいだ。

まずもって、音楽がいいんだよね。
いい映画の定義ってまあ難しいけれども、こうやってたいした映画じゃないのに何度も見てしまったり、なんとなく惹かれて見てしまう映画ってのは、だいたい音楽がいいのよね。
中学生の頃、友達とスワロウテイル見に行ったけど、あれも音楽に惹かれたからだし、マグノリアとかも高3の時一人で見に行ったけど、あれもCMで音楽聞いて、これは何がなんでも見たいな、とか思ったからだし。
いやー、音楽は超重要ね。
なんなら、本編がくそでもいいんだよね。
音楽が素晴らしかったら。

あとまあ、たいしたことないのに感動する映画は、だいたい人が死ぬよね。
マイガールの死ぬシーンの処理は考えられる中でも最低の部類の処理だったから、思わず吹き出してしまったけど、まあだいたい映画では人が死ぬもんだよ。
そんなわけで、そもそも映画ってのは人がよく死ぬものだけども、シナリオとか教わる時には、だいたい「人を死なさせるな」ってまず教わるんだよね。
あとはまあ、「ナレーションやめろ」とかね。
つまりは、そういった安易な方法に頼るなってことなんだけども、映画ってさっきも書いたけど、そもそも人死にまくるからね。
いかに殺すか、とかって映画の大命題の一つだし。
あと、ナレーションとかだってけっこう入るし、なんなら最初にデカデカと「19××年、〜軍は、〜軍と交戦中であった」とか平気で説明するしね。
マイガールでもナレーション入るけれども、なんかそこで泣いちゃったりするし。
だからほんと、ああいう教育は間違いね。
いまだに人を殺すシーン書く時は、なんとなく罪悪感あるからね。
人を殺すことではなくて、人を殺すという、やってはいけないと教わったシーンを書いているという罪悪感ね。
とにもかくにも、しちゃいけないことをつくることで教えようとするのはよくないと、僕は思うね。

まあ、とはいえ僕も、変な法律つくる芝居は、基本的にくそだと思ってるけどね。
「20××年、人口の増加に伴い、日本国は、恋愛禁止法を制定した」みたいなやつね。
だってそんな法律、リアリティがなさ過ぎるっていうか、もはやSF以上だと思うし、思考として安直過ぎるっていうかね。
ただこれ、本質的にはさっきの、人が死ぬのとは全然違う話ね。
人が死ぬのが別にいいと思うのは、映画ってのは「いかに」死なすかを考えるものだから、死なすことそれ自体は、だめとかそういう次元の話ではないっていうね。
だから、別に上に書いたような「恋愛禁止」とかの状態に最終的になったっていいと思うのよ。
ただ、その「いかに」恋愛禁止になるかって部分が、法律っていう処理なのは、完全に安直ね。
愚策もいいところでしょう。
そういうことやっちゃう人ってのは、「何を」描くかしか頭にないわけね。
「いかに」描くかの方がはるかに重要なのに。
まあ法律も、なんかイキガミみたいな感じでやられたら気にならないのかもしれないけど、基本、あれやっちゃう人とは気が合わないだろうな。
ほんと、学生演劇とかで多いんだよね。

まあ、そんなことはどうでもいいけども、なんかほんと、こういう映画をつくりたいね。
なかなかすぐに撮る感じにはいかないし、撮ったって金にならないだろうし、ヒットとかもしないだろうし、だからこそ世間から見たら社会的地位低いというか、映画やってるぶってる奴くらいにしか見られないだろうし、まあそれでいたく自尊心も傷付くし、そもそも本当に理解してくれる人ってのも非常に少ないから、まあ必然的に寡作にはなるだろうけども、いつか一本でも、たいしたクオリティじゃなくてもいいから、何日も心揺さぶられちゃうような、なんとなく見たら人生変えられちゃったみたいな、そんな作品をつくりたいよね。
まあ当然、そういうんじゃなく、普通に海外の映画祭とかで評価されるのも撮りたいけどもね。
ただ、海外の映画祭とかで賞とっても、全然日本で評価されないんだよね。
まあ映画祭が全てだとは思わないし、映画祭で賞とる映画でくそみたいなものがあることも、大衆的な映画の中にもすぐれた映画があることも、もちろん承知しているというか、実際、かなり大衆的な映画も僕はわりと見るけれども、カンヌとかたいして話題にならないのに、日本アカデミー賞とかめっちゃ話題になる現状ってのは、明らかにおかしい。

ほんとみんなもっと文化に興味持ってもらいたいわ。
女の尻追い掛けたり、kawaii!とか、リケジョとかカーママとかウチとかみたいなこと言ってたり、LINEとかFacebookとか携帯ゲームとかばっかやってないで。
せっかくみんなそれなりに金持ってんだから、エステとかで自分を磨いていないで、内面というかね、文化的な部分を磨くことに使って欲しいわ。
まあ最近はYouTubeとかでタダで色々見られるから、映画なんかに金払う気しないのかもしれないけど、タダとはいえ、一般のよくわからない人が商品紹介してたり、なんか意見述べてたりするの見たり、よくわからない配信してる女の子とかとコミュニケーションとったりするくらいなら、ちょっと金払ってでも、考え抜かれたコンテンツ見た方がよっぽど有益だと僕は思う。
人生は有限なんだから、暇潰しみたいなことばっかして過ごしてたらもったいない。


Posted by 北川 on 5月 12th, 2014 :: Filed under 日常
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