とくお組モブログ
いつも手元にとくお組

記憶

16a81773ba657b3e075cafe6b0092a7f.JPG

最近、記憶がない。

毎日、やらなければいけないことをきっちりこなしているし、一応、都度都度何がしかの判断をしたりしているわけだけども、「あれ?昨日って何したんだっけ?」みたいに毎日思っている。
つまり、最近の僕は、頭が全くまわっていない。
脳を介さず、筋肉の反射のみで、適当に話したり諸々の判断下したりして生きている。

関係ないようだが、今日、家の近所を歩いていて、でかいゴキブリを見かけた。
「なんでこんなでけーゴキブリが道にいるんだよ。この街はゴミ箱か?」
けっこうでかい声で独り言を言い、僕は、ゴキブリに近付いた。
ゴキブリは、さっと僕の足から逃げた。
その無軌道な動きは、危ない、と思ったからではなく、彼の本能が、彼の筋肉が、僕の足から彼を逃げさせたもののように、僕には見えた。

その時、気付いた。

最近の僕は、ゴキブリだ。
筋肉の反射のみで、その場その場の危機を回避し、ゴミ箱のように汚い街をうろうろして生きている。
汗と油で体は光り、背中には甲殻のように黒い革のリュック、伸びた髪と無精ヒゲは触角を思わせる。
そしてなにより、道の端、壁の側をコソコソと歩くその態度。
踏まれにくい場所を移動する、これこそまさに、ゴキブリのそれだろう!

ゴキブリは、側溝の中に消えていった。
僕は、コンビニで大好きなホウ酸団子を買って帰った。


Posted by 北川 on 7月 5th, 2013 :: Filed under 日常
You can skip to the end and leave a response. Pinging is currently not allowed.

Leave a Reply

Type your comment in the box below: