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悲劇から喜劇へ。

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またしても、久しぶりにダンボールを作ったり潰したりしてきた。すなわち、じいさんばあさんに囲まれに行ってきた。相変わらず、皆疲れ果てている。

現場の雰囲気は何も変わっていなかったが、トイレに入ったら写真の様なラクガキに出くわしギョっとした。

きっと眼と鼻だろう。正確には右眼と右小鼻か。無機質なわりに神経質なタッチが気味悪さを増幅している。
以前は無かったように思う。描いてあったのなら、いくらなんでも気づいているだろう。シュールを通り過ごし気持ち悪さだけが浮かび上がる。

排泄しながら描いたのか、排泄後描いたのか。完成していないので排泄中か。いや、もしかしたらこれで完成なのかもしれない。そして、何故これだったのか、ウサギやパンダでも良いだろう。排泄中に自らの表現欲求も排泄したのだろうか。仕事の辛さを排泄したのだろうか。失礼、排泄を連呼し過ぎたのでもうやめる。

私が再び訪れるのは二週間後だ。この後、彼(彼女?)にはどの様な表情がつけられていくのだろうか。このままいけば、とても悲しい表情になりそうな気配である。感情を失った悲劇の主人公とでも言うべき、この現場を包む暗い雰囲気を一身に背負ったかの様な描き手の分身たる魂の叫び。もはやこれはラクガキではなく、芸術だと言わせて欲しい。排泄中の僅かな時間に魂をぶつける老人が、私の同僚に存在するのである。これは誇るべきことだ。

二週間後、トイレに入った際、もしも壁に悲劇の主人公が現れていたのなら、私は私なりの最大限のリスペクトでもって応えたいと思う。

もう、おわかりだろう。

鼻毛をボーボーにしてやるのだ。


Posted by 篠崎 on 11月 17th, 2011 :: Filed under 未分類
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One Response to “悲劇から喜劇へ。”

  1. とくお
    11月 17th, 2011

    わかるか!

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