とくお組モブログ
いつも手元にとくお組

疾走

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今日、考え事をしながら駅の地下を歩いていた。
と、ポケットの中にゴミが入っていることに気付いた。
依然として考え事をしてはいたものの、「捨てよう」と思い、前を見た。
柱が見えた。
裏にゴミ箱がありそうだ。
「あれはこうでこうだから〜」なんて考えながら、ゴミをポケットから取り出し、柱をまわって、捨てる態勢をとった。
と、そこにはゴミ箱はなかった。
むしろ、浮浪者の人が寝ていた。
「あ、浮浪者の人だ」と思った。
そう、「あ、浮浪者の人だ」とだけ、思った。
考え事をしていたせいで、「あ、ゴミ箱はなかった。浮浪者の人だった」というところまで考えが至らなかった。
そのため、思考と行動にズレが生じてしまった。
ゴミを捨てる動きを止める、という信号が、腕の神経に伝達されるのが一瞬遅れてしまった。
僕の腕は、ゴミ箱にゴミを捨てる時と全く同じ軌跡を、そこでたどってしまった。
要は、「あ、浮浪者の人だ」と思ったまま、ゴミ箱に捨てるように、浮浪者の人に向かってゴミを投げてしまった。

ゴミは、見事に浮浪者の人に当たった。
浮浪者の人は、目を覚まし、ゴミに気付き、僕をにらむと、烈火のごとくキレ始めた。
僕は瞬間、我に返り、「うわっ、あっ!」とか言って、ゴミをとろうとしたりした。
が、浮浪者の人が起き上がり始めたりして、わけがわからなくなってしまったのだろう、気が付けば僕は、突然、その場からダッシュで逃げ出していた。
こんなに本気で駅の地下を走ってる人は見たことがない、というくらい、僕は、地下を疾走した。
改札をくぐるくらいまで、怒鳴り声が聞こえ続けた。

いやー、こわかった。
ほんとすいませんでした。
悪気や他意はなかったんです。


Posted by 北川 on 12月 24th, 2013 :: Filed under 日常
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