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スパッツ

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まずはこの絵を見て欲しい。
有名なマネの「オランピア」だ。
平面的な描写、ヌードというセンセーショナルなモチーフ。
マニエリスムやキュビスムへと発展していく、近代絵画を代表する作品の
一つである。
が、そんなことは僕にとっては、はっきり言ってどうでもいい。
この絵に関して、僕の中で最も重要なこと、それは「描かれている女性
が、太り気味である」ということだ。
そしてそれは、当時の男性が、女性に「やわらかさ」を求めていたという
ことを示していると思う。
当時は、太っているということは金持ちの象徴であったりしたので、それ
によってグラマーな女性が好まれたという社会的な背景もあったとは思
う。
しかしそれは、当時の男性が女性の肉体的な「やわらかさ」を志向してい
たという事実を保証はするが、否定はしない。

では、「やわらかさ」というものは何によって表現されるのだろうか。
実際に触って、直接感じるというような話ではなく、間接的にそのやわら
かさを他者に伝えるにはどうしたらいいのか、という話だ。
僕は、それは躍動、または運動によって表現されると考えている。
上下に揺れる胸の運動は、その胸のやわらかさを我々に想起させるし、押
された尻がその圧力から解放された時に見せる反発運動は、その尻のやわ
らかさを我々にあますことなく伝えてくれる。
つまり、やわらかさというものは、身振り、手振り、乳振り(ちぶり)に
よって表現されるものであり、それは、今現在、その物体が運動している
という状態、すなわち「現在進行形の運動」という形を伴うものなのだと
思う。

しかし、現代では、その「やわらかさ」の表現方法が、ある衣服の誕生に
よって大きな変化を見せたように感じる。
そう、スパッツ、レギンス、オーバー二ーソックスの誕生によって、「や
わらかさ」の表現方法は大きく変化したのだ。

スパッツらは、足をぎゅっと締め付ける衣服である。
従って女性は、スパッツ等を履けば足が細く見えるからモテる、そう考え
ている節がある。
だが、それは大きな間違いだ。
スパッツを履くと、足が細くなるからいいのではない。
スパッツを履くと、足がやわらかそうに見えるから、すごくいいのだ。

足をぎゅっと締め付けるという行為は、足の肌の持つ運動エネルギーを
ぎゅっと圧縮する。
そして、圧縮されたその運動エネルギーは、スパッツを脱いだ際に解放さ
れ、ぶるんっという太ももの揺れ、躍動と共に、その「やわらかさ」を表
現する。
その、「あれを脱いだ時、すげーやわらかいだろうな」と予想させるその
感覚、「これからきっと、あの足はとんでもなく運動するんだろうな」と
未来に思いを馳せさせるその感覚、躍動そのものではなく躍動するであろ
うという「躍動感」、つまり、「未来形の運動」、それによって、スパッ
ツを履いた女性は、モテるようになっているのである。

絵画や彫刻しか芸術表現の媒体がなかった時代、多くの芸術家達は、その
静止した芸術媒体の中にいかにして運動を閉じ込めるか、ということを考
えてきた。
結果、芸術家達は、躍動する瞬間を切り取るという方法、すなわち「現在
進行形の運動」を切り取り、静止状態の媒体に当てはめ、永遠のものとす
るという、矛盾した方法を選択してきた。
動画というメディアが発達し、「現在進行形の運動」を現在進行形のまま
切り取り、再現し、複製することができるようになった現代にあって、
「未来形の運動」という方法で運動を静止状態に落とし込むことができた
のは、すなわち芸術家達の積年の矛盾が解消されたというのは、なんとも
皮肉な話であると思う。

しかし、だからこそ、我々は堪能しなければならない。
スパッツを、愛さねばならない。
「やわらかさ」の表現にパラダイムシフトを起こした、この布に興奮しな
ければならない。

僕は、今日も明日も明後日も、スパッツで包まれた足をジロジロ見るだろ
う。
巨匠達の果たせなかったその想いを胸に、何度も何度も、スパッツでムチ
ムチしたエロい足を、僕は見つめるだろう。
圧倒的なまでの興奮と、ほんの少しの切なさを感じながら、ブリンブリン
でムッチムチのエロ足を、僕は何度も何度も見つめ続けるのだ。


Posted by 北川 on 5月 25th, 2010 :: Filed under 未分類
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6 Responses to “スパッツ”

  1. とくお
    5月 26th, 2010

    アホやw

  2. (ρ.-)
    5月 26th, 2010

    でたっ!! 私もレギンスはきますけど細く見えるとかじゃなくて楽だから って理由ですけどね(^^;でも今の子は そんな躍動感?でそうな体型じゃないですよね?みんな痩せてるも〜ん

  3. タコ
    5月 26th, 2010

    オランピアは確かショウ婦でしたよね。女神の裸体は許されてマネのこの新しい画風の裸婦は当時酷評されたとか。北川さんの映画期待してまーす。

  4. 北川
    5月 26th, 2010

    いやーアホなことを真面目に考察するのは楽しいですね。
    最近の子は確かに細いですよね。細いのにやわらかそうですごいですね。
    タコさんの書き込みを読んでふっと思い出しましたが、マニエリスムってのはルネサンス期のやつでしたね。フォービスムのことをマニエリスムと書いてしまいました。恥ずかしくて死にたいです。昔からこの二つはよく混同してしまいます。

  5. (ρ.-)
    5月 27th, 2010

    北川さんにタコサンに絵画?に詳しいんですね 何も知らないでコメントしてる こっちの方が恥ずかしい…

  6. 北川
    5月 28th, 2010

    一応僕、美学美術史学専攻だったんですよねー。ただ、たんま詳しくないんで、インチキウンチクですけど。

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