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りんご

北くんの映画「りんご」を観て来た。

僕は映画については素人だけど、ハッキリ言って、6作品の中で「りんご」がダントツに面白かった。面白かった理由というか、その大前提として「内容が理解できる」のは北くんのだけだった。他の作品は正直何をやっているのか、何を表現したいのか、素人の僕にはよくわかりません、という感じ。「りんご」はちゃんとストーリーがしっかりあるし、10分という制約に則ってシンプルだし、その上で内容が濃いから、観ている側としてはストレスなく観れるし、目が離せない。小説でいう読破感みたいなものがあって、「面白かった」と素直に感想が言えるのは北くんのだけだ。

北くんの作品の考え方とかまともに聞いたことないから勝手なこというけど、「りんご」はちゃんと「観客が内容を理解できること」に注意を払っているから、(素人である)僕はすごく好きだ。何を言っているのかわからなくて、「それは観客に委ねる」みたいな作品があったり、著名人のコメントやレビューがあって初めて「そうそう、そんな気がした」みたいに後から意味付けするのとかあるけど、そんなの素人はやってくんないよ?と思う。大多数は「意味分かんなかったね」で終わりであって、あとの講釈なんて知らねえよ、である。分かりやすい作品を作れと言うのではなく、内容を理解できるものを作ってほしい。そこのところ冷静に客観視できてるのかが僕は重要だと思う。内容が理解できた上で、演出だったり、発せられるメッセージだったりの議論や感想が言えるってもんだ。

その点でいうと、パンフレットにあった各作品のレビューにおいても、「りんご」については、誰もが内容を理解できるものであるから、物語や世界観の補足説明でなくて、演出の良かったところなど中心をレビューしているので、非常にレビューとして納得性が高い。他のレビューは、僕みたいな素人からすると「その世界観とか物語の理解って、あなたの勝手な想像で、本当にそうなの?」みたいな疑いが入ってしまう。なんか専門家が小難しいこと言って格好付けてるなあと僕みたいな素人からすると思ってしまうのである。「なに、そこまで深読みして観ないとダメな映画なの?面倒くさいなあ」というのが正直な感想である。

あとザキさんも出ていて、北くんの言葉を借りるなら、久々に「本気で闘う役者の姿を見た」という感じだった。今の僕にはまだあれは出せないなと。あの、空気を「強く纏う」感じ、出せないんだよなあ。また溝を空けられてしまったので、もっと精進せねばならんと思いました。負けていられません。

とにかく贔屓目なしに北くんのが一番面白かったと述べた上で、仲間としての贔屓目で、これがカンヌに行けていないことに非常に不満を抱いているのである。いやー、タイトルの入りとか、風の音とか、そういうのもすごくよくて刺さるものがあったけどなあ。(くどいけど、内容が理解できるから、またその上でいいお話と演出だから、刺さるんだよ!)でも北くんもザキさんも、それぞれの立場で真っ向勝負をしていて、それが清々しかったし、結果、ダントツで面白かったので、いつか絶対カンヌなり何なりに行けると思う。そういう人たちが仲間であることが嬉しくてたまらない。


Posted by 堀田 on 9月 11th, 2013 :: Filed under 映画
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