芥川の功績
[日常] クモがよく出る。
昔から親にも「クモは虫を食べるから」と言われて殺されずに優遇されてきた。その教えがしみついて、気持ち悪いと言われながらも、今でも殺さずに逃がすことが多い。
世の中的にもそうだろうか。やはり、芥川龍之介の功績は大きいと思う。
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「小説家の原田宗典被告、検察は懲役1年6月を求刑」
この方は東日本大震災が起きて、「自分は一体何を書いているんだろう。意味がないのではないか」と、うつ症状を悪化させたことが遠因で覚せい剤に走ったとか、走らないとか。
確かに、震災があって何万人も死に、身近に重大なことが起きたことは明らかだけども、一般に暮らす人たちはともかく、プロの作家とあろうものがショックを受けて物の見方が変わってしまうというのは如何なものかと思う。
それは、震災以前には自分にまったく想像力というものが無かったと公表しているようなものではないだろうか。何、今さらリアルに感じちゃってんの、という感じだ。震災でショックって言えば繊細で敏感に見えるけど、作家としては鈍感だったってことだと思う。
作家は時に無から有を生み出さなければいけないもので、たとえ親がいなくても親子の絆の問題を描かねばならないこともあるだろうし、戦争を体験してなくても戦争ものを手がけることもあろうし、恋愛など苦手であっても恋愛小説を書くこともあるだろう。
大きな災害が起きてショックを受けましたというのは、人間が何万人も死ぬという自体を、それまでまるっきり想像していなかったと言っているようなものだ。
ちなみに、今週はフィリピンで何万人も亡くなる大災害が起きた。もちろん、これにもウツになって「何を書いて良いのか」分からない作家が続出しなければなりません。
2013年11月09日
漫画でしか見たことがない声
[日常] 物作りを仕事にしている人は(電化製品でも歌でも料理でも)、感性と技術のバランスに悩む人が多いのではないかと思います。
思い思いの感性だけでは荒削りで売り物にならないし、逆に技術だけで綺麗に作り上げても人の心を打つことができなかったりする。業種にもよりますけど、この二つのバランスがうまく保てないと人の支持を得ることができません。
物語に関していえば、技術で敷いた土台に後から感性を乗せることは難しく、感性で大きくブンブン作って技術で微調整するというのが理想です。
中学生の時、直方体の柔らかい石を彫って、好きなものを作るという授業がありました。僕は、家にあった砂時計を見て、こいつを作ろうと思って、ろくに設計図も作らず(どうやって設計したらいいかもよく分からず)、とりあえず彫刻刀をブンブン振り回して、石を削っていきました。
最初はただの直方体の石だったものが、徐々に砂時計の形に浮かび上がってきました。「おお、直感で結構いけるものだな」と思ったものでした。
ところが最後に勢い余って、砂時計の真ん中の細いところをプツンと削ってしまいました。
漫画の吹き出しでしか見たことがない、「あ”」という声が出ました。
今でも、最初に設計する時間が無く、とりあえず彫り始めるという作り方をすることがあります。ただ、その時は必ずこの失敗を思い出して、戒めるようにしています。
2013年11月08日
ハイリスク・ローリターン
[日常] ぼくが一昨日、甲州街道で覆面パトカーに捕まった同じ頃。
同じ甲州街道で同時刻に誘拐犯が捕まっていました。今思えば、この日はパトカーも白バイも、どこからかき集めてきたんだろうと思うくらい不自然に多かったのです。それもそのはず、誘拐事件が発生していたので、東京中のパトカーと白バイが甲州街道や環八通りを占めていたのでした。(白バイ隊員は、バイクを降りて目を凝らすように通り過ぎる車を見ていたし)。
通報から45分での逮捕は、偶然かもしれませんが良くやったと言わざるを得ません。
身代金誘拐は犯人にとって(お金を得るという意味では)ハイリスクで勝ち目のない犯罪と言われています。警察は誘拐事件に馴れているけど、犯人はたいていの場合ビギナーです。犯人はそのことがよく分かっていない。相手にする数も違うし、「人物を誘拐」し「犯行を宣言」してから「現金を受け取る」というプロセスのすべてにリスクがあります。これを生業にしていない限りは成功させるのは難しいでしょう。
犯人に入れ知恵するのもヘンですが、最初に人物を誘拐することが間違っていると思います。「いついつまでにお金をくれないと、子供はいつか誘拐し殺す」という脅しにしといたほうが、犯人側のリスクは少なくなります。
容疑者の一人は時間指定を守らないあの運送会社の社員らしいですが、いくらなんでも人を運んではいけませんね。
2013年11月07日
若田さん宇宙へ行く
[日常] 若田さんが4度目の宇宙へ旅立ちました。
ISS(国際宇宙ステーション)はサッカーのコートぐらいの広さがあるらしいですね。宇宙の産業で栄えるのは旅行もあるでしょうが、スポーツもあるかと思います。
無重力を活かした新しい21世紀のスポーツが生まれ、その試合は地球に中継され、選手は宇宙で暮らす。それを観た子供たちは宇宙に憧れて―。という循環。
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11月6日に発売になったDVD作品のコメンタリーをしています。
「奇人たちの晩餐会」と 「メルシィ!人生」。
ブラックコメディの奇才・フランシス・ヴェベール監督の作品がDVD&Blu-rayで発売されるとのことで、風が吹けば桶屋が儲かるぐらいの遠い旅を経て、私どもにコメンタリー(音声解説のようなもの)をさせていただけることになりました。野球中継で言う副音声みたいなやつです。

収録模様。2作品で合計180分程度しゃべりました。
私はコメディを書くうえでの苦しみ、北川監督は撮る技術や苦悩など、まあ、だいたい苦悩を話しています。コメンタリーの出来はともかく、本編は名作ですので何かの折に是非観てみてください。
2013年11月04日
日常へガッシャーン
[日常] お久しぶりです。
ここ一ヶ月は舞台やライブやドラマ、その先のデスクワークをしておりました。普通の人ならばもうちょっと要領よくこなせることなども、余計に時間が掛かってしまい忙しぶってしまったというのが実情です。

自分のほうを向いていない集合写真。「移動するプリズン」劇団スパイスガーデン
スタッフもキャストも一度切りのプロデュース公演というものはいくつか経験していましたが、既存の劇団にお呼ばれして脚本と演出を「出張」するという経験はめずらしく、いい経験をさせていただきました。またいつかご一緒できるといいですね。
稽古場にあった、食べても食べてもいっこうになくならない「みかん」があって、個人的に「無限みかん」と名づけていたのですが、その日々の変遷でも。

無限みかん(1日目)。無限です。

無限みかん(3日後)。まだまだ無限です。

無限みかん(5日後)。ちょっとアップになってきました。
そして時は無限に発散して。

無限みかん(∞日後)。なんとッ!
驚くべきことに、無限日後にはしっかり有限個になっておりました。
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どこかの靴屋さん。
以前、バーミヤンのドアでもありましたが、ガラスにぶつからないようにするためなんでしょう。しかし、「貼り紙をする」行為そのものが既に衝突の予防になるため、わざわざ「ガラス」と書く必要はありません。かと言って書くことがなかったんでしょうけれど。
こういうのを無視して、ガッシャーンと割りながらゆっくりと入店していく男になりたいです。
2013年10月19日
カムバックキーボード
[日常] 携帯キーボードが壊れていましたが、修理で戻ってきました。

携帯キーボード「リュウド RBK-2000BT3」
iPhoneやiPadと組み合わせると、もはやノートパソコンを持ち出さなくてもいいという優れもので、ここ2年ほど酷使し続けていました。2kg近くあった荷物が300gぐらいになるんです。この差は本当に大きい。
しかしながら、その便利グッズがある日突然ウンともスンとも言わなくなったので有償修理をお願いしたんですが、2,000円の修理費用で、たった2,3日で戻ってきました。会社としての対応も丁寧で迅速で。いいものを作る会社はやはり違います。
というわけで、2年すれば壊れますが、そんなにイヤな気持ちにはなりませんので、Bluetoothの折りたたみキーボードをどれにしようか迷われている方はこちらをオススメです。
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「劇団スパイスガーデン」で作演出させてもらう新作「移動するプリズン」ですが、稽古も佳境を迎えていまして、本番は10月29日~11月3日まで@千本桜ホール というところで行います。
美術スタッフにはとくお組の美術でもお馴染みの泉さん、音響には同じくとくお組でお世話になっている斎藤さんを迎えて、とくお組らしいスタッフ基盤で、新しい形のお芝居に挑んでいます。男たちの手に汗握る攻防といいますか、手に汗握るコメディを作っておりますので是非、お時間を見つけて見に来ていただけるとありがたいです。
【ご予約はこちら】から。お願いいたします。31日のアフタートークに出させてもらいます。
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20日からNHKBSで 「ハードナッツ!」というミステリードラマが始まります。

出演は橋本愛さんと高良健吾さん
数学を主体にしたミステリードラマで、TRICKシリーズなどでお馴染みの蒔田光治さんがメインで書かれてます。私は第6話の脚本を書かせてもらいつつ、他話のストーリーやトリックもちょこちょこと考えさせていただきました。よかったらそちらもご覧下さい。
2013年10月16日
お前は今日から馬刺し用
[日常] あっという間に10月も半ばになりました。
この入れ物を見つめるうちに、「ああ、こいつは割れるまで馬刺し用であることを運命付けられているのだな」と思うと、何か物悲しい気持ちになりました。僕たちもテプラで簡単に「盛り上げ役」とか貼られると嫌な気分になると思います。
仕事でもそうなんですが、人は周りから「君はこういう人」とカテゴライズされるものです。面倒な案件でもアイツならやれる、計算ならアイツが得意だ、飲み会やるならアイツを呼ぼう、恋愛相談するならアイツ、残りものはアイツが食べる、などなど。
そして一回イメージがついてしまうと、自分もその期待に添おうとするためか、そのキャラクター通りに動いてしまうということがありますね。そうやってウソがマコトになっていくというか。
自分は他人にどう見られているのだろう。完全に分かってしまうと死にたくなりますが、たまには冷静に見つめ直さなくてはなりません。
2013年10月11日
オイスター依存症
[日常] 牡蠣の季節がやってきました。
近所のローソンでは、お店の中で揚げたカキフライ弁当が登場しまして、なんとご飯とカキフライ5個だけという非常にストイックな構成のお弁当で、これがとてつもなく旨かったため、日記にしたためることにしました。僕は無類の牡蠣好きでありまして、全ての食事が牡蠣になってもいいぐらい好きなのです。
もともと、僕はなにごとも「依存症」のきらいがありまして、コーヒーを飲み出すと一日中飲んでいますし(完全にカフェイン中毒です)、燃えプロにはまると燃えプロしかやりませんし、お酒や煙草には手を出さないように気をつけていますが、きっと無制限に飲んでも良いとなると、とことん溺れるタイプで間違いありません。
それぞれ、依存物質があるのは分かるんですが、牡蠣はよく分かりません。コーヒーはある時、「あんな苦い汁で全国にチェーン店ができるのはおかしい」と気づき、カフェイン中毒というものの存在を実感しました。カフェインが入っていなければ人々は依存しないので、スターバックスやドトールなどは生まれないと思うのです。
牡蠣はどうでしょうか。牡蠣も、それ専門を扱うオイスターバーなどがあります。これは変です。あんな気持ち悪い貝のために、専用の店がいくつもあるなんて。牛丼チェーンやうどんチェーンとはわけが違うと思うのです。だって、牛丼やうどんは栄養面からも主食になりうるから。貝なんて、貝なんですから。オイスターバーが許されるなら、サババーやしいたけバーがあったっていいのに、それは無いわけです。
オイスターには必ず依存物質が隠れていると思います。私が知らないだけでしょうか。
2013年10月06日
見てくれよりも実
[日常] セブンコーヒーをよく飲みます。
100円か150円ぐらいで、そこそこおいしいコーヒーが飲めるということで頻繁に利用しますが、荻窪かどこかで見た、自慢の佐藤可士和デザインがえらいことになっていました。
人の好みでどんどんオリジナリティを加えていける”土台”を作るというのも、新しいデザインの形なのでありましょう。アレンジャーの「見てくれよりも実(じつ)」という姿勢が素晴らしいです。
今週末10月12日に「DA2-DANZIN(ダッタンジン)」のライブがあるのですが、そこで構成と演出をしています。何曲か作詞もやってますので、観にいらっしゃる方は、ふうんと思ってくださると有り難いです。音楽監督は楠瀬拓哉さんです。
2013年09月28日
ノビジュース
[日常] 人生トータルの健康を考えたとき、僕はビールを選択します。
世の中には糖質○%オフだとかカロリーゼロだとか、ビールと間違えちゃいましたみたいな商品がたくさん溢れていて、それらを全然飲まないというわけではないのだけど、むしろ普段は結構お世話になっていたのだけど、やっぱりビールが一番美味しいし、美味しい物を飲むということは、一番の健康なんではと思うのです。
だから僕はビールを選択します。
居酒屋なんか行くとよく分かりますけど、たいてい「ビール」と偽って発泡酒の類を出しているところは、ほんのちょっと時間が経てばニセモノだということがよく分かります。もともと発泡酒や第三のビールが「ビールと見まがう」ように出来ているのは、注いで数分ぐらいの瞬間なのです。あとは、もう味も見た目も驚く速さで崩壊していきます。
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ノビジュースをご存知でしょうか。
ドラえもんの20巻「イキアタリバッタリサイキンメーカー」という道具で、のび太が葉っぱの細菌を培養して作るジュースです。それが美味しそうだなあと思い2,30年生きてきたわけですが、いまだに「モヒート」を飲むたびに「ああ、ノビジュースってこんな感じなのかなあ」と思います。
人によって「ノビジュース」を思い出す飲み物は違うんでしょうけど。
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