[日常] 咳が三~四週間治らず、セブ島に静養してきました。
結果、ちょっと咳がひどくなって帰って来ました。
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セブからマニラまでの国内線に、典型的な日本人の団体(中年男女)が乗っていたのですが、その団長みたいな人が着陸した瞬間にいきなりパチパチと拍手をしはじめて「やった! これで危ない壁をひとつ越えた!」と言っていて、なんだかこっちが恥ずかしかったです。大きい不安を抱えている間に、風呂で滑って死んだりしないように気を付けて欲しいと思いました。
基本的に、ホテルの周りはすぐにボロボロの家屋が並んでいてコンクリートの建物はほとんど見られず、格差を感じられずにはいられませんでした。以前に上海や香港に行った時などは、都市とスラムが混在するような、国の中での貧富の差を垣間見ることはあったけれど、見渡すかぎり皆が貧しい、という光景は初めてです。でも、人の表情は苦しそうじゃない。殺伐ともしていない。穏やかで優しい国民性に映りました。まあ、個人で接していないので何とも言えませんが、のんびりと心地よい国でした。
この国は、たまに儲ける人が現れても、周りに引きずり下ろされるというクラブ・メンタリティが貧困スパイラルの原因とも言われています。カニの入ったカゴの蓋を開けると、一匹だけなら外に出られるけど、二、三匹入れると互いに引っ張り合って誰も出られないという。
ちなみに「セブ国際空港」や、セブ島とマクタン島(滞在したところ)をつなぐ大きな「橋」は日本政府の援助(ODA)で作られたらしく、看板に大きく日本語で書いてありました。
[日常] 先日見かけた、劇団スタッフの上着です。
過剰。
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先日、3.11に関するドキュメンタリー映画のヤラセが発覚しましたが。
物を作る側の観点として、震災が起きたから震災にまつわるコンテンツを作ろうという発想は浅いし、個人的には品が無いと思っていました。確かに未曾有の出来事で、そこにはあらゆる物語の源泉が感じられるけれど、そこに飛びつく作家というのはつまるところ、そのような出来事が目の前で起きなければ、相応の想像力が生み出せなかったということを示しているのです。
そもそも物語を作るというのは、ふだん光が当たっていないものをあぶり出して表現にし、目の前に提示する仕事です。震災に関しては、そこからフィクションとして昇華する必要のないほど、圧倒的な事実がそこにあるわけで、残った一本松を奇跡だなんだと演出するより、海に浮かぶ大量の死体を見せたほうが本当は正直なのです。(それが良いとは言いませんが)。
まあ、作る側も観る側も、決して悪気はないんだと思いますが……。
[日常] 今日、コンビニでお好み焼きを買ったんです。
でも、お好み焼きって、家で作るかお店で食べるか以外は、たいてい美味しくない。冷凍食品とかコンビニであらかじめ調理されているやつというのはどうしても風味が落ちたり、モサモサになったりして。
でも、今日買ったコンビニのお好み焼きは美味しかった。これはすごいことだなあと思って、製造元を見てみた。すると、そこはお好み焼きを中心に事業を展開している食品メーカーで、公式のウェブサイトによると「一枚一枚、手作り」とのこと。
「全て手作りで調理されています」
確かに手作りの味だと思えるし、同じ手作りでも、夜店のお好み焼きよりもよっぽど美味しい。こりゃあ大変な工程で作られてるなぁと、感心しながら工場案内のページをめくっていったところ。
野菜洗浄機、フードスライサー、横型ミキサー……ん?
ん?
なんと! 自動焼成機!
この自己矛盾をどう解釈していいかはよく分かりませんが、自分が食べたお好み焼きがまさに手作りのレベルに達していたことだけは事実です。自分の舌を信じます!