とくお組
2003年慶應義塾大学の2つの劇団(劇研・創像工房in front of.)のOB・現役を中心に旗揚げしました。主にコメディを作っており、宇宙船の機関室や画家の脳の中といった「非日常」世界で、キャラクターたちの心理や言動は「日常的」に描くという作風です。HPにて主宰・徳尾浩司の会社員コラム連載中。
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爪のない生活
[日常] 最近、よく爪を切るようになりまして。
キーボードに爪の先が引っ掛かるのが妙にイヤになって、それはもう、ツルツルのまったく白いところが出ないぐらい、潔癖症か! というぐらいに短い状態を維持しているのですが、そういう指になって初めて気づいたのが「自分って結構、顔を掻いてたんだな」ということです。
顔を掻いても、指先がツルツルしてるもんだから、まったく痒いところに届かなくて、結果的にやさしく撫でたことになって終わってしまうのです。もうちょっと鋭利な感じでカリカリ掻きたいんだけど、その願い届かず。
あとはラベルやシールなど、剥がすという行為がまったく出来なくなりました。身体で唯一、硬いところだったんだと気づかされる瞬間。他にも社会のいたるところに、爪ありきな装置が溢れています。
カッターみたいに、普段は中にしまえて、使うときだけ外に伸ばす爪だったらいいのだけど。
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病院に見舞いに行くのと来られるの、友達の家に遊びに行くのと来られるの。
どちらも、ゲストで行くよりホストで迎えるほうが、終わった後が「寂しい」というのがある。だから、子供のときは遊びに「行く」ほうが好きだった。文字通りホームじゃないから相手に気をつかったりするし、落ち着かないのはあるんだけど、何より遊び終わった後の抜け殻感は、ホストのほうにある。
あの、夕日が差し込む部屋で、散らかった玩具を一人で片付けなきゃいけない感じ、さっきまであんなに賑やかだったのに、一転して静かになってしまうあの感じ。子供の頃、入院してて一番つらかったのは夕方、見舞いに来た人がみんな帰っていった後。それはきっと、孤独が相対的に引き立ってしまうから。夜は意外に寂しくないんだよね。
たまに国の事情で、第三国でサッカーとかやったりするでしょ。ああいうの、寂しくないと思うんだ。
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日常 日時: 2015年12月24日 00:53 |
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