とくお組
2003年慶應義塾大学の2つの劇団(劇研・創像工房in front of.)のOB・現役を中心に旗揚げしました。主にコメディを作っており、宇宙船の機関室や画家の脳の中といった「非日常」世界で、キャラクターたちの心理や言動は「日常的」に描くという作風です。HPにて主宰・徳尾浩司の会社員コラム連載中。
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恐怖のメンチカツ
[日常] 姑が嫁をいじめている定食屋に再訪しました。
僕が椅子に着くと、姑は店内がちょっとでも乱れるのが気になるらしくて、そばで何かを片付けていました。
で、僕は本来ホールの役割ではないであろうその姑に「Aランチで」と頼んでしまったわけですが、それから待てど待てど、Aランチが来ません。あとから来たグループのBランチは来るのに、僕のAランチは来ないのです。
何度か僕のテーブルの前を通っていく嫁も「あれ、このヒト、いつからいるんだっけ」みたいな感じの視線を投げかけてきます。短編小説を読んで待っていたので、食べ終わった人だと思ったのかもしれません。
すると、仕切りの向こうから小さい声で「●番のお客様ってオーダー……」「Aランチだよ?」「えっ……(それって通ってないですよね)」という嫁姑のやり取りが聞こえてきました。どうやら姑は「Aランチ」を自分の胸にしまったまま厨房に通していなかっただけでなく、嫁には「自分は別にホールじゃないし」という雰囲気で突っぱねている感じなのです。
それから姑は姿を消し、店内には静寂が訪れました。そして短編をひとつ読み終えた頃、嫁が申し訳なさそうにメンチカツと豚の生姜焼きが載った「Aランチ」を運んできました。僕はちょうど本が読みたかったので、待つことは苦じゃありませんでしたし、味も前回と同じように良かったのです。
ただ、メンチカツが何の肉だったのかは、分かりませんが……。
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日常 日時: 2016年02月03日 21:47 |
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