とくお組
2003年慶應義塾大学の2つの劇団(劇研・創像工房in front of.)のOB・現役を中心に旗揚げしました。主にコメディを作っており、宇宙船の機関室や画家の脳の中といった「非日常」世界で、キャラクターたちの心理や言動は「日常的」に描くという作風です。HPにて主宰・徳尾浩司の会社員コラム連載中。
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ストーリーだけでも
[日常] HUNTER×HUNTER長期休載へ。
ニュースのコメント欄には「分かってた」「やっぱり」という声が並んでいたけど、その中に「もう漫画はいいからストーリーだけ教えてくれ」というのがあって笑った。普通は、作者たるもの、ストーリー(構想)はしっかりあった上で描いているに違いないと思うものだが、実際のところは読者とほとんど同じレベルで先が無い場合も多いだろう。
というのも、ストーリー(プロット)をあらかじめ立ててその通りに作品を仕上げていくというのは、個人的にはそれはそれで難度の高い仕事だと思っている。確かにそうすることで製作は計画通りには進むのだけど、仕上がったものが面白くないということが往々にしてあるからだ。
ストーリー(プロット)通りなのに、仕上がりが「あれ?」とつまらなくなってしまう理由はいくつかある。プロットは事象の羅列でデジタルチックなものだけど、実際の物語は人物の感情で動くアナログチックなものだから、作者が進めたい方向と、人物の動きたい方向というのがどうしても合致しないことが出てきてしまうのだ。
それは最初に立てるストーリー(プロット)の完成度、という話に繋がってくるのだけど、つまるところ、ストーリーを立てる段階で、人物のアナログな動きも組み込まなければ、設計図としては役に立たない。ただ、それを綿密に作るくらいなら、「もう作品を描いちまったほうが早い」となるのである。
ということで、「ストーリーだけでも教えてくれ」というのは気持ちは分かるが、なかなか厳しい話なんだよ、ということをご理解いただきたく、HUNTER×HUNTERの一件に便乗した自己弁護とさせていただきます。
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考察 日時: 2014年09月08日 09:31 |
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