とくお組
2003年慶應義塾大学の2つの劇団(劇研・創像工房in front of.)のOB・現役を中心に旗揚げしました。主にコメディを作っており、宇宙船の機関室や画家の脳の中といった「非日常」世界で、キャラクターたちの心理や言動は「日常的」に描くという作風です。HPにて主宰・徳尾浩司の会社員コラム連載中。
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鬼ごっこ
[日常] 顔は防犯カメラで全国に公表されて、200万円を持って逃げるとする。
なかなかしびれる鬼ごっこである。街を行き交う誰もが、自分に気づいたかのように思えるだろう。まずは防犯カメラに映っているリュックは捨てて、服も替えなければならない。普段着も買いたいが、できればスーツが欲しい。おっさんが昼間にウロウロしているのはどこでも目立つ。紳士服屋の接客は丁寧じゃないほうがいい。
駅には防犯カメラがたくさんついているが、移動手段は電車を選択する。報道されているうちはタクシーも危険な気がするから。ドライバーによっては勘のいいやつがいる。「犯人が逃げてるらしいですねえ」とか話題を振られたら、「私です」と言ってしまうかもしれない。その点、バスは比較的安全だから、電車と併用する。
本当は車を使うのが一番安全だが(寝泊まりもできるし)、身分を偽って手に入れる手段を思いつかない。知り合いをたどるのも今は危険だ。既に電話を抑えられている可能性がある。当面の宿泊先は、とりあえず都内のビジネスホテルを転々とすることにしよう。カプセルホテルでもいい。いや、カプセルホテルがいい。
ともあれ、都内はいち早く出たほうがいいだろう。これから二ヶ月くらいの間は一般市民の注意が薄れるのを待って、地方のウィークリーマンションなどに引きこもるのが無難だ。地方と言ってもせいぜい大阪か、福岡か。
新幹線の駅や空港は警察官が張っているだろうから、移動には長距離バスがいい。隣に座られたくはないので、並びの席を二つか三つ、まとめて買ってしまおう。
・・・・・・ということで僕が刑事ならまずはカプセルホテルを調べ、バスを調べ、地方都市のウィークリーマンションを調べます。
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日常 日時: 2012年06月06日 23:15 |
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