沈黙が気まずい店
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[日常] 近所に昼間はランチ、夜はバーになる小さな飲食店がある。

家のガレージを改装して作られた店のようで、マスターの男性以外には客が5,6人しか入れないほど狭い。値段も安くて、先日ランチで行ったときには、牛サイコロステーキ丼と小鉢と味噌汁と生野菜サラダと食後のコーヒーがついて550円だった。

もうタダでもいいんじゃないの、と思うぐらいの安さだ。

味も悪くないし、本来は毎日通ってもいいぐらいなのだが、ぼくは当たり障りの無い会話というのが滅法苦手なので、大抵一言も発しない。マスターも後ろでも向いてくれればまだ気が楽なのだが、ずっと視線を感じながら食べていると気まずく、なんだか飼育されているような気分にもなってくるのだ。

「コイツはトマトを最後に残すのか・・・」とマスターのセリフが頭で勝手に鳴り響く。

当たり障りのない話。当たり障りの無い話。天気の話。いや、つまらない。じゃあ何の話。ニュースの話。ニュース見てない。スポーツの話。スポーツ見てない。そんなことを考えていたら、いつも沈黙のまま食べ終わっている。

こんな調子なので、せめて会計時には「ごちそうさまでした!」をできるかぎり明るく言って、不機嫌な人ではないということをアピールして店を出る。

不機嫌な人ではないけど、変な人だなとは思われているだろう。


日常 日時: 2011年02月08日 23:36 | 

とくおNOW

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