とくお組
2003年慶應義塾大学の2つの劇団(劇研・創像工房in front of.)のOB・現役を中心に旗揚げしました。主にコメディを作っており、宇宙船の機関室や画家の脳の中といった「非日常」世界で、キャラクターたちの心理や言動は「日常的」に描くという作風です。HPにて主宰・徳尾浩司の会社員コラム連載中。
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反省の記憶
[日常] 先日、仕事帰りに6人ほどで寿司屋に入った。
そこには流ちょうな日本語を話す太ったフィリピン系の女店員がフロアーを仕切っていたのだが、一緒にいたHさんが「以前来たときに、あの人に醤油をこぼされたんだよね」と言っていた。その時は別に文句を言うわけでもなく、一品二品をサービスされた程度で終わったのだという。
一通りおいしく食べ終わって落ち着いた頃、最後にその女店員が熱そうなお茶を人数分持ってきた。Hさん越しにスレスレで渡していくので、Hさんが思わず「これ、おれにかかりそうだな」と言ってみたところ、
「アハハ、大丈夫ですよ、こぼしたことはありまセンから」と笑顔で返してきた。
思わず苦笑する6人テーブル。
Hさんが続けて「お茶はこぼしたことはなくても・・・醤油とかは、あるんじゃないですか?」と思わず大ヒントを出してみたところ、今度はすかさず
「アハハハ、醤油もないですね・・・自分に掛けたことはアルかな?アハハハ」
と言って厨房に去っていった。Hさんの顔はおろか、醤油をこぼしたことも心の底から忘れてしまっており、ちょっと「自分に掛けてしまうおっちょこちょい」的な自分さえアピールする始末。
やっぱりHさんはこぼされた時にしっかり怒っておくべきだったのだろう。反省の記憶というのはそんなものなのだ。
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日常 日時: 2008年08月20日 15:32 |
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