とくお組
2003年慶應義塾大学の2つの劇団(劇研・創像工房in front of.)のOB・現役を中心に旗揚げしました。主にコメディを作っており、宇宙船の機関室や画家の脳の中といった「非日常」世界で、キャラクターたちの心理や言動は「日常的」に描くという作風です。HPにて主宰・徳尾浩司の会社員コラム連載中。
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センター試験
なんとかうまく仕事をしない方法を考えているうちに、1日が終わる。
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[思い出] 土日はセンター試験だったようですね。
受験生にとってはICレコーダの不具合に気をもんだり、マークミスをしてしまったり、なにかと心理的な負担の多い試験だと思うが、僕らの時代は「国語Ⅰ」と「国語Ⅰ・Ⅱ」の問題が、同じ冊子に綴じられているという罠があった。
忘れもしないのは、国語の試験が終わったときに同級生のA君が「意外に簡単だったよなー。時間もあまったし」というので、お前すごいなーという話になって、軽い答え合わせをし始めたところ、どうにも話がかみ合わない。というか、読んでる小説が違う。
もしや・・・と問題冊子を広げたA君。間違えて「国語Ⅰ」を解いていたのだ。
あまりの不憫さに沈黙する仲間たち。しばらくしてから、誰かが「それお前・・・、国語Ⅰやで・・・」と切り出すと、A君はみるみる青ざめていった。
「え・・・「国語Ⅰ」ってなんや・・・。おれが解いた、国語Ⅰって一体なんなんや!!」
問題冊子を叩きつけるA君。動転するのも無理はなく、当時ほとんどの大学は「国語Ⅰ」を採用しておらず、ほぼ全員が「国語Ⅰ・Ⅱ」を受けることになっていた。A君もそれは分かっていたはずなのだが、思わず最初から解いてしまったということなのだろう。序盤で200点を失うことになったA君は、言葉なく立ち尽くしていた。
ぼくも普通の試験では「いやー時間余っちゃったなー」と思って余裕の笑みをこぼしていたら、終了5分前になって裏面にも問題があることに気づいて、泣きながら記号を埋めたことがある。
「あの、裏面に気づいたときはサーモグラフィーが真っ青になったわな」「あるある」みたいな失敗談を語り合いながら慰めようとするも、A君の心にはまったく響かない。その時サーモグラフィーを当てたら、白だったと思う。
しかもそこで大逆転を試みようとしたA君は、周りの「地理はぶっつけでイケる」というデマを信じて直前で歴史を捨ててしまい、惨敗。その後A君は一人、雪の降る街に消えていった。
あれからA君を見ていない。
雪が降る季節になると、特に思い出したりしない友人の一人だ。
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思い出 日時: 2008年01月20日 23:34 |
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