とくお組
2003年慶應義塾大学の2つの劇団(劇研・創像工房in front of.)のOB・現役を中心に旗揚げしました。主にコメディを作っており、宇宙船の機関室や画家の脳の中といった「非日常」世界で、キャラクターたちの心理や言動は「日常的」に描くという作風です。HPにて主宰・徳尾浩司の会社員コラム連載中。
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身体と精神のベクトル
[日常] 喫茶店に、大怪我をした中年男性が入ってきた。
その中年男性は腕と足首に包帯をグルグル巻いて、車いすで席までやってきた。先に入って待っていたスーツ姿の気弱そうな男性に対して、何やらしょっぱなから怒っている。大怪我してうまく身動きが取れないのに、怒っているのだ。
この「包帯グルグル巻きの人がえらく怒っている」ことにおかしみを感じるのは、きっとその人の身体と精神が真反対のベクトルを指しているからだろう。
端々の会話から二人は特に親しい間柄ではないようで、大怪我の男性は「このタイミングで夏休みに入るとか、おかしいですよねえ?」とか、「あんなメールの書き方あります?」とか、「あまりに意地悪じゃないですか?」と言っている。「はい・・・・・・」「はい・・・・・・」と気弱な男性。
しばらく聞いて分かったことは、どうやら中年男性は追突事故に巻き込まれて裁判沙汰になり、目の前の弁護士に不満をぶつけているらしかったのだ。
僕はてっきり、中年男性は後ろから何者かに突き飛ばされて大怪我をしたが、実は目の前にいる気弱な部下が犯人である、と予想していたのだが、違ったようだ。
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日常 日時: 2013年09月04日 22:20 |
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