金髪バンドマンの優しさ
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[日常] 相変わらずファミレスが好きなのだが。

隣に座ったバンドマン(男女4人)がぼくがドリンクバーに立ったときにどうやら「横のやつのキータッチが速く、ピアノを弾いているようだ」と話していたらしく、コーヒーを注いで戻ってくるとその話がまだ終わりきっておらず(つまり僕が戻ってくるのが早かった)、

急に話題を変えるのもヘンだと思ったのか、「むかつくよね、エンターを小指でパーンとはじく人とか、バイト先にいるけどー」「小指って使わないよねー」と話を拡張していた。

キーボードの話なんて絶対ぼくの様子を見て始まった話だ。なんだか気になるのでキーの音をおさえて、小指もあまり使わないようにした。

こういう場では近くの人のことを話すと大抵バレるので、自分も気をつけようと思う。


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その中の金髪バンドマンが、「いいバイトの話がある」と話題を変えた。

聞けば、出会い系サイトのさくらをやっているらしく、「メールを返すだけで月40万なんだよね」と言っていた。ぼくが大学の研究室で同じだったバンドマンもさくらのバイトをやっていた。バンドマンに多いのだろうか。

そのガストにいた金髪バンドマンによると、複数の相手に浅く広く対応していくより、一人の人に真摯に対応していった方がリアルに感情移入できるので、長続きして結果的に儲けられるんだ、と力説していた。彼は、お金持ちのおばさんの、ぽっかりと空いた心の隙間を埋めてあげているらしい。

いい奴じゃないか。

彼の場合はさくらの定番である、男が女役をやっているわけじゃないので、おばさんとしてもあんまり騙されている感じではないと思う。そこには、ただ心からおばさんを慰めている金髪バンドマンがいる。

残りの三人は最初こそ、「月40万!私もやりたいやりたい!」と乗り気だったが、金髪バンドマンのあまりのきめ細やかさ、心配りに感嘆し、若干引きはじめ、徐々に声が小さくなっていった。

やはり、簡単な儲け話などないんだな、という顔をして。


日常 日時: 2008年12月08日 12:04 | 

とくおNOW

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