とくお組
2003年慶應義塾大学の2つの劇団(劇研・創像工房in front of.)のOB・現役を中心に旗揚げしました。主にコメディを作っており、宇宙船の機関室や画家の脳の中といった「非日常」世界で、キャラクターたちの心理や言動は「日常的」に描くという作風です。HPにて主宰・徳尾浩司の会社員コラム連載中。
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29歳のバケツリレー
昨日、いつのまにか29歳になってた。
このぐらいの年齢になってくると、皆「子供のときは30歳ってすごい大人だと思っていたけど、自分がなってみると全然大人じゃない」なんていうだろう。
気づいたけど、それっていわゆるスーツマジックなんだと思う。
人間、スーツを着れば大人に見える。ただそれだけだった。きっとぼくの父親も子供の見えないところでは遅刻したり寝たりして、上司にキングファイルの角で殴られたりしてたんじゃないだろうか。
ぼくはそこまでじゃないですけど。
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[日常] 昨日は撮影だった。
自分が舞台をやっているときもそうなんだけど、つい舞台セットが巧妙だと「本物」だと勘違いしてしまい、思い切り壁にもたれかけてバキッと壊してしまうことがある。
昨日は撮影のロケ現場に入り、おなかが痛くなってトイレに駆け込んだのだが、用を済ませた後にレバーをひねると水が出てこなかった。
なんどひねっても水は出る気配無く、重いタンクのふたを持ち上げてあのフグみたいなボールを上下にしても、一向に水が出ないのである。
そこ、トイレではなかった。
ズボンを下げたまま、ぼくはレバーをつかんで固まった。厳密に言うとそこは別にセットというわけではないが現在は使われていない「元トイレ」だった。セットにウンコしたわけじゃなかっただけマシだが、水が出なくて現物を流すことができないというピンチは変わらない。
徳尾さんなにやってるんすか、という状況に変わりはない。
とりあえず辺りを駆け回ってバケツを発見すると、廊下の先に「トイレはこちら」の張り紙を発見。本物のトイレからラグビーボールのようにバケツを抱えて水を運ぶこと3往復。
その間、バケツ姿を誰かに見つかったら完全にアウトだったと思う。いや、何がアウトなのか分からないけど、なにか、たぶん、アウトだった。便器に水を流し込みながら、なんだか涙が溢れてきた。
これで現物まで溢れてきたら、本当に逃げ帰るところだった。
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日常 日時: 2008年04月03日 14:52 |
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