Introduction
その赤い存在(やつ)には、まだ誰も気づいていない。
渋谷のとある瀟洒なマンションで、たいして若くもないクリエイターたちがルームシェアをしている。
クリエイターといっても具体的に何かを生み出している様子はなく、そこにオシャレな生活以上のものはない。 集まったところで良い化学反応など起こらないし、かといって独りでいると何も前に進んでないような 不安にかられて気が狂ってしまいそうなので、とりあえずリビングの3Dプロジェクターで三国無双をやるというのが彼らの現実。 それでも、いつか自分の表現で世界を変えてやるんだという意気込みだけはまだ残っているようで。
そんな彼らの部屋の片隅には、今まで誰も気に留めなかった一つの赤いスイッチがある。 そいつと、その周囲を観察していくうちに、待てよ、これは世界を一瞬のうちに変えてしまう、 あの有名な、危ない感じのスイッチではないか、そう思えてきたのだった。

【作】 徳尾 浩司
1979年4月2日生まれ 大阪府出身
【TV脚本】
2014年 理系の人々(ひかりTV)
2014年 ロストデイズ(フジテレビ)
2014年 ハードナッツ!(NHK)
2013年 ロンドンハーツ「リフティング・マイ・ドリーム」(テレビ朝日)
【舞台脚本・演出】
2015年 ヴァンパイア騎士 脚本(銀座博品館劇場)
2014年 そして今夜もニコラシカ! 演出(東京芸術劇場WEST)
2014年 恐怖 タコ公園のタコ女 演出(本多劇場)
2014年 僕等の図書室3 脚本(銀座ブロッサムホール)

【演出】 篠崎 友
1979年4月4日生まれ 東京都出身
作・演出より
今回は脚本だけなんですが、篠崎の演出は自分の時よりも丁寧に、濃密に、人間関係の糸を紡ぎ上げていく、 そんな職人技のようなものを感じています。大都会の喧噪に埋没する、小さな野心を覗きにきてください。見終わった後は、きっと少しだけ世界が変わるはずです。(徳尾)
私は相当な笑い上戸でして、しばしば客演先で他の俳優さんの芝居に笑い転げ、演出家に「笑いを抑えて」と自粛を促されるという、そういうタイプの人間です。ですが、今回は私が演出家です。もう何の遠慮も無くゲラゲラと笑わせて頂いております。 俳優たちが戯曲を通して人生をぶつけあい、役という殻を突き破り魂が発露する。 大袈裟な表現ですが、そんな瞬間を目撃できるのは本当に面白いです。と同時に「俳優って凄い仕事だなあ」とか「彼らが輝こうとするのは観てくれる存在がいるからなんだな」だとか、芝居を始めた頃に感じていたことを再び強烈に感じたりしております。とまあ、長々と書いてしまいましたが、粛々と稽古は進行中です。面白い作品に仕上がるよう心掛けていきますので、宜しくお願い致します。(篠崎)
Character

schedule
※開場は開演の30分前です。
※★は終演後にトークショーがあります。(約15分)
Access
渋谷ギャラリーLEDECO 5F
住所: 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷3丁目16−3 TOWAビル
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